どうも、Mormor(もるもる)です!
今日は12月限定「フカヒレSoba 〜 艶 〜」 のLimited Courseをいただきに、「Japanese Soba Noodles 蔦」さんの会員制「夜蔦」に行って来ました。
透明な塩味のスープにヨシキリザメのフカヒレと言う組み合わせは、ラーメンに止まらず中華料理でもあまり聞いた事の無いものです。
コレを作る為に、わざわざ「赤坂四川飯店」の陳 建太郎シェフの下でフカヒレ調理の基本を学びに行ったのだそうです。
一杯のラーメンを作る為に、有名中華料理店でフカヒレ調理の基本を学び、それをメニューに活かすと言う真摯な姿勢こそが、新しい一杯を生み出す原動力になるのでしょう。
レシピそのものは、故大西 祐貴シェフが考えたものかも知れませんが、それを実現するまでに費やしている膨大な時間が有って初めて完成する一杯なのだと思います。
12月限定「フカヒレSoba 〜 艶 〜」 の説明と、Limited Courseのお品書き。
クリアな清湯スープは、博多地鶏とムール貝とイタヤ貝と厳選した5種類の塩を使用した特製の塩ダレを合わせ、ヨシキリザメの背びれを贅沢に使ったフカヒレは、浅利と昆布出汁の
フカヒレにはボッタルガとヤゲンナンコツを和えた”ボッタルガ水晶”を添え、燻製ラードで香りづけしたデュクセル、赤酢のソースで酸味をアクセントなど、まさに至高の一杯です。
まずはWelcome teaの「コンブチャ」から。
柚子風味のスパークリングで杏か梅の様な爽やかな酸味と甘みの有るお茶です。
発酵食品なので昆布から出来ているとは思えない味です。
ドリンクはハイボールにしました。
前菜盛り合わせは炭酸系の飲料と相性が良い事が多いです。
ラーメン自体も種類によっては炭酸飲料が合うものも有ります。
amuseの餡掛け豆腐。
先月は蔦の鶏スープに生姜を合わせたスープでしたが、12月はそれを餡掛けにして鶏そぼろと共に豆腐に掛けて有ります。
生姜の風味と蔦の鶏スープの旨みが豆腐に良く合います。
前菜盛り合わせ。
海南鶏飯やカオマンガイ風の蒸し鶏と青唐辛子を使った辛い肉味噌に胡瓜が添えられています。
酢豚や中華風の揚げナスの煮浸しも有り、nouvelle chinois(ヌーベルシノワ)の雰囲気です。
お口直しのゼリー。
確かお茶のゼリーと柿ジャムだった様な…(汗)。
甘さ控えめで口中がスッキリする味でした。
そしてメインの「フカヒレSoba 〜 艶 〜」。
フカヒレとボッタルガとヤゲンナンコツを和えた”ボッタルガ水晶”の上にたっぷりの白髪ネギが載っています。
右上には赤酢のソースが掛かっています。
これに熱した香味油を掛けてくれます。
目の前で立ち昇る香ばしい香味油とネギの香りが素晴らしいです。
こう言う演出も含めた「エンターテイメント」なのですね。
非常にクリアなスープ。
博多地鶏とムール貝とイタヤ貝と厳選した5種類の塩を使用した特製の塩ダレを合わせたものだそうです。
貝の旨みと地鶏の旨みにまろやかな風味の塩味がとても美味しいです。
自家製麺の細麺。
蔦コダワリの数種の小麦をブレンドした自家製麺です。
しなやかでなめらな食感と上品な小麦の風味がスープに良く合います。
熱した香味油を掛けた白髪ネギ。
香ばしい風味が付いて、しかしシャキシャキ食感は有ります。
塩味スープにとても良く合う薬味です。
白髪ネギの下には、フカヒレの上に燻製ラードで香りづけしたデュクセルが掛かっています。
デュクセルの香ばしい風味が塩味スープと合わさって味に複雑さを加えます。
ラーメンにデュクセルを合わせて味を変化させる手法は蔦お得意で、最近では同様の手法を良く見る様になりました。
フカヒレ。
普通、「フカヒレの姿煮」などの場合は醤油味の餡が掛かっている事が多いですが、これは浅利と昆布出汁の
わざわざ「赤坂四川飯店」の陳 建太郎シェフの下でフカヒレ調理の基本を学びに行った甲斐が有って、素晴らしい仕上がりです。
ボッタルガ(ボラやマグロの卵巣を塩漬け・乾燥にしたもので、カラスミの一種。)とヤゲンナンコツを和えた”ボッタルガ水晶”。
ヤゲンナンコツ特有のコリコリ食感とボッタルガの風味が良い感じです。
フカヒレの食感とヤゲンナンコツの食感、ボッタルガの食感と、食感でも楽しめる様になっています。
白髪ネギと麺をいただきます。
熱した香味油を掛けた白髪ネギの香ばしい風味が貝の旨みと地鶏の旨みにまろやかな風味の塩味スープと相まってとても美味しいです。
塩味スープに白髪ネギは合いますが、更に焦がし油が加わると香ばしさも加わります。
“ボッタルガ水晶”と麺をいただきます。
ヤゲンナンコツのコリコリ食感と麺のしなやか食感、ボッタルガのツブツブ感と、様々な食感を楽しめます。
視覚・味覚・嗅覚に加えて触覚(食感)や聴覚にも訴える、五感に響く一杯です。
フカヒレと麺をいただきます。
フカヒレ自体も繊維っぽい食感が有りますが、その食感と麺の食感がとても良い感じです。
フカヒレの餡とスープも麺とマッチングが良くて、一体感が有ります。
赤酢のソースを絡めて麺をいただきます。
貝の旨みと地鶏の旨みにまろやかな風味の塩味スープに赤酢の酸味とコクが更なる奥行きと深みを加えます。
燻製ラードで香りづけしたデュクセルと言い、この赤酢のソースと言い、意外性の有る味を重ねて、結果的に旨さに繋げるセンスが素晴らしいです。
ベースのスープと麺の旨さ有っての味の組み合わせです。
重ねる味の1つ1つを磨き上げて、蔦の強みで有る多層的な味の積み重ねをより先鋭化した感じです。
料理としてのラーメンを突き詰めると共に、ラーメンで料理の可能性を拡げたいと言う意志を感じます。
ラーメンにフカヒレと言うと、「フカヒレの姿煮」に麺を入れた様なものを想像し勝ちです。
敢えて塩味、敢えてクリアな鶏と貝のスープ、そこに焦がし油をネギに掛けて香ばしさを出す。
更に“ボッタルガ水晶”で食感的な多様性も生み出し、既存の概念を超えた一杯を作り上げるのに成功しています。
麺と具を食べ終えて、スープを味わいます。
貝の旨みと地鶏の旨みにまろやかな風味の塩味スープに、フカヒレに掛かった浅利と昆布出汁の
味を重ねた時にどんな感じになるのか?奥行きや深さ、重さや軽さ、様々な要素を考えた先に出て来たカタチなのだと思います。
と言う訳で、完飲&完食です。
「フカヒレ」+ラーメンを、タダの話題性だけにしない実力と工夫で、また一歩先へと進んだ感が有ります。
五感に訴え掛けるラーメンに仕上がっています。
〆のデザート。
今回のデザートは少し台湾っぽいテイストの有る2品でした。
ここでもnouvelle chinois(ヌーベルシノワ)的なアプローチを感じます。
お土産のガレットっぽい焼き菓子。
都度異なる食材を使用していて、飽きが来ないです。
蔦らしいお土産になっています。
「Japanese Soba Noodles 蔦」さんの会員制「夜蔦」の12月限定「フカヒレSoba 〜 艶 〜」 のLimited Courseでしたが、ありきたりの「フカヒレの姿煮」に麺を入れた様なものでは無く、既存の概念を超えた一杯でした。
味の重ね方に依る旨さの作り方の集大成の様な感じで、様々な料理のエッセンスを加えた味に仕上がっています。
方向性としてnouvelle chinois(ヌーベルシノワ)的なアプローチで全体を纏めつつ、個々の品々も一手間掛けて高いレベルに仕上がっています。
「ただ高級食材を使って有るから旨い」では無く、高級食材はあくまでも手段で有って目的では無いと言う姿勢が見えます。
視覚・味覚・嗅覚に加えて触覚(食感)や聴覚にも訴える、五感に響く一杯です。
故大西シェフが目指した所へと向かう、確実な歩みが見て取れます。
次回の限定もまた楽しみです。







