987ケイマンSの事:その⑥
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どうも、Mormor(もるもる)です!

 

今回は987ケイマンのウリだったモノが実際どうだったかについて書こうと思います。

 

 

987ケイマン発表当時のウリは、

①クローズドボディ化に伴うボディ剛性の大幅な向上
②ミッドシップ2シーターとして最大級のラゲッジスペース
③電子制御可変サスペンションPASM
④電子制御車両制御システムPSM
⑤スポーツクロノパッケージ
⑥バイキセノンヘッドライト

辺りでしょうか?

PCCB(ポルシェ・カーボン・コンポジット・ブレーキシステム)もウリの一つでしたが、ウチのクルマには付いていないのと、サーキットでの耐久性に問題が有るので、ここでは割愛します。

 

 

 

 

 

①クローズドボディ化に伴うボディ剛性の大幅な向上

これは言うまでも無く987ケイマンの最大の武器です。
オープンボディとして設計されたBoxsterをベースに、クローズドボディを与えたのですから悪かろう筈が有りません。

実際に乗った感じでも、987Boxsterだと不整路面でAピラーがブルブル震える事が有るのに対し、987Caymanのボディは全くそう言う事は有りません。

Type997の911と比較しても、リアハッチの開口部が大きい、バルクヘッドが1枚少ないと言う不利な点が有るにも関わらず、それ程劣っている感じはしません。(リアボディの強固さは987ケイマンを大きく凌駕しますが、全体的にはそれ程差を感じません)
この強靭なボディは987ケイマンの大きな武器だと思います。

ちなみに981系では更に剛性がUpし、ホイールベースが伸びたにも関わらず、オープンボディのBoxster系でも不整路面でAピラーがブルブル震える様な事は無く、とても強固になりました。

 

 

 

 

②ミッドシップ2シーターとして最大級のラゲッジスペース

フロント150ℓ、リア260ℓと言う、ミッドシップスポーツとして望外のラゲッジスペースを持つ987ケイマン。

実際、これ程荷物を積めるミッドシップスポーツも無いのでは無いかと思います。

 

 

 

 

987ケイマンはエンジン高が低い水平対向エンジンの特徴を活かして、そこにリアラゲッジルームを設けているので、特に天地方向にスペースが有るお陰で、ドライバーを抜いて別に置けば、ゴルフバッグ2個を積む事も可能でした。

981系になってからはエンジン高が少し上がって天地方向がかなり薄くなってしまい、ゴルフバッグは斜めに1つ搭載するのがやっとです。

それでも、ケイマンは2シーターのミッドシップスポーツとしては望外のラゲッジスペースを持っており、思いの外ユーティリティは高いです。

ただ、残念な事にリアタイヤはフロント/リアのラゲッジスペースには収まらないので、予備のタイヤを運ぶとしたらルーフキャリアでも付けない限り不可能です。

 

 

 

 

③電子制御可変サスペンションPASM

スポーツクロノパッケージとのセットオプションだったPASM(ポルシェ・アクティブ・サスペンション・マネージメント)。

BILSTEINの電子制御可変ダンパー「ダンプトロニック」を使用した電子制御可変サスペンションです。

各種のセンサーからの情報からリアルタイムに減衰力を調整すると言うのがウリのシステムで、スポーツモードにしていても路面のμが低くなると自動的に減衰力を柔らか目にしてトラクションを稼ごうとするなどの機能が有り、乗り心地と運動性能を両立させようとするものです。

PASM装着車は車高が10mm下り、それにも関わらず良好な乗り心地を維持しています。

実際の所、PASMを「SPORT」に切り替えるとかなりダンピングレートが上がった感じになり、ロールが抑えられます。
但し、“あくまでも公道レベルの速度域なら”と言う前提条件でのハナシです。

サーキットレベルになると、そもそもバネレートが3kg/m台と決して高く無いので、いくらダンパーが硬くなっても思いっきりロールします。

またバネが柔らかいままダンパーが硬くなるので、サーキットで縁石を踏む様な状況下では飛び跳ねてしまい、却ってトラクションに悪影響を与えます。

「公道での良好な乗り心地を最優先し、たまにワインディングを気持ち良く走りたい」と言う方には持って来いですが、サーキットレベルを求める方の場合は足回りの交換が前提になるので、あまり必要性は有りません。

但し、“スポーツクロノパッケージとのセットオプション”と言うのがクセモノで、「SPORT」モードはサスペンションだけで無くエンジンのスロットル制御などにも関わって来るので「SPORT」モードは欲しいので、結局これも付いて来てしまいます。(987ケイマンS発売当時)

これはあくまでもGT系では無いケイマンのハナシなので、981系や982のGT4の場合はそもそも脚周りのジオメトリからバネレート、ダンパー減衰力など全て異なり、且つノーマルで車高調が付いているので、ノーマルのままでもFSWで1分50秒代前半位まではフツーに行けてしまいます。(ウデさえ有れば)

GT系に乗るとPORSCHEと言うメーカーの本当の凄さが分かります。

 

 

 

 

④電子制御車両制御システムPSM

PSM(ポルシェ・スタビリティ・マネジメント)は987系から標準装備され、スイッチでOFFに出来るものの、完全にOFFにする事は出来ません。
(ヒューズを抜けばOFFに出来ますが、速度計も表示されなくなり、ABSも機能しなくなるのでオススメしません)

PSMの機能は実際かなり優秀で、個人的にはジムカーナーやミニサーキットなら兎も角、大きなサーキットでは基本的に切らずに走っています。

但し広場トレーニングなどで定常円旋回などをやる時は、OFFにしないとテールスライドが始まった途端にスロットルを閉じられてしまって失速するので、そいうい場合はOFFにします。

PSMは闇雲にテールスライドを抑えるものでは無く、有る程度のテールスライドは許容してくれます。

厳密にどの位かと言うのは不明ですが、私の感覚ではゼロカウンターの状態ならほぼ介入して来ません。

ジムカーナの様な場合は介入されまくってしまってハナシになりませんが、高速サーキットならプロドライバーレベルの方々を除いては切らない方が身の為です。

一度切った状態でFSWを走りましたが、感覚的には氷の上を走っている様な感じで、自分のウデでは却って遅くなってしまうのでヤメました。

公道でも大雨の時などはPSMが介入する場合も有り、事故らない為のお守りみたいなモノですね。

 

 

 

 

⑤スポーツクロノパッケージ

日本仕様では只の“ダッシュボード上のお飾り”に過ぎませんが、本国仕様ではGPSに連動してサーキットでラップタイム計測が可能になっていた様です。

(987系のスポーツクロノと違って、981/982系のものは時計としても機能します)

 

 

 

 

日本仕様ではステアリングコラムに有るスイッチでスタート/ストップしてタイム計測する様になっています。

ちなみにこのスイッチはボードコンピューターの操作のスイッチでも有ります。

 

 

 

 

大事なのは、これを付けないと「SPORT」モード切り替えスイッチが付いて来ないと言う事です。

「SPORT」モードはECUの制御でスロットル制御で、より高いレスポンスを実現し、PASM付きの車両ではダンパーがHARD側に設定され、可変エキゾーストシステム装着車の場合はエキゾーストの経路が切り替わります。
AT車の場合はシフトプログラムもより高回転まで引っ張る仕様に変わります。

この「SPORT」モードが無いと、有る程度踏む/戻すしないとスロットルは動かず、敏感に反応しません。
安全と言えば安全ですが、とてもスポーツカーとは思えないネムイ感じになります。

「SPORT」に切替えた時のレスポンスは、俊敏なレスポンスに切替り、アクセルのミリ単位の操作に反応する様になります。

なので、“時計なんて要らないから「SPORT」モードだけ付けて欲しい!”と思いますが、残念ながら日本仕様ではセットでオプションなので付けざるを得ません。

ちなみに981/982系のGT4の場合、時計を付けても付けなくても「SPORT」モードが標準装備なので、何十万もする時計は要らないと言う人は付けない事も有る様です。

それでも987系のスポーツクロノと違って、981/982系のものは時計としても機能するので、まだマシですね。

 

 

 

 

⑥バイキセノンヘッドライト

これも当時オプションでしたが、スポーツカーに明るいヘッドライトは必須なので、大抵のクルマは付けていたオプションです。

光軸自動調整機能付きで、ブレーキングや加速で光軸がズレた場合に自動で補正してくれます。

ヘッドランプウォッシャーも付いていますが、これを使うと周囲に人やクルマが居ると飛び散りまくって大変なので、使った事が無いです。

これで20万円と言うのはどうなんだろう?と思いますが、HIDが欲しかったら選ばざるを得ないオプションです。

しかし新車価格800万円近いクルマで、総支払額は約1,000万円近いのに標準装備がハロゲンとか国産車では考えられない仕様でした。

ちなみにエアコンも標準はマニュアルでしたが、競技用でも無い限りマニュアルで買う人は居ないんじゃ無いかと思いました。

 

 

 

 

987ケイマン最大のウリ

しかし987ケイマンの最大のウリは、何と言ってもそのパッケージングそのものだと思います。

水平対向6気筒のエンジンを限りなく低い位置にセットし、その搭載位置は911の呪縛に囚われない理想的なミッドのポジション。

PORSCHEのヒエラルキーの呪縛でパワーは抑えられ、サスペンションも4輪ストラットだったとは言え、トランスバースリンク付きのアーム長の長いストラットサスペンションは、4輪Wウィッシュボーンでもレイアウト上の制約でアームが短いクルマより余程タイヤを理想的に接地させる事が可能でした。

重心位置が低い故に、SW20のMR2やロータスエリーゼ/エクシージ系の様にエンジンが振り子の様に作用してリアから回ってしまう現象とも無縁で、トラクション的に有利且つ重心位置も最適に近い事で、乗り易く破綻し難いのが身上です。

唯一、ミッドシップ故のシビアな限界特性は持っていますが、それも初代NSXなどと比べればとてもマイルドで、個人的にはPSMのお陰も有ってプロ並みのウデが無くても乗れるのが一番のウリでは無いかと思います。
(プロが乗ったら鬼に金棒ですが)

 

 

 

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