どうも、Mormorです!
2022年9月23日に大西祐貴さんが亡くなってから休業していた、「Japanese Soba Noodles 蔦」が2023年2月10日から営業再開との事で、遅れ馳せながら行って来ました。
2月9日にはレセプションが行われ、多くの関係者が参加された様です。
営業再開から1週間が経ちましたが、まだ花が飾られています。
店頭のメニュー。
再開に当たって「醤油SOBA」、「塩SOBA」、トッピング、ごはんものにメニューが絞られています。
今後「つけSOBA」などが追加されるかもしれません。
店内に下りる階段の脇の額縁には、故 大西祐貴さんの姿が有ります。
こちらにも花が沢山飾られています。
ガラスケースの中には、CONCEPTや使用食材などが書かれたものが掲示されています。
混雑時はゆっくり読めそうですが、この日は空いていたので読み始めた所で店員さんに呼ばれました。
CONCEPT。
大西祐貴さんの、日本の食文化とフレンチなどの世界の料理との融合と言うコンセプトはしっかり継承されている様です。
メニューのラーメンの食材の説明。
ラーメンBloggerにはとても助かります。
厳選されたこだわりの食材が使用されています。
ここには「つけめん」が有るので、いずれ「つけめん」は復活する様です。
使用されている食材のリスト。
日本や世界中から集めたこだわりの厳選素材です。
良く知っているものも有れば、「こんな所のものが!」と思う様な食材まで多彩です。
カウンターの一番奥の席に案内されました。
蔦に来るとココに案内される確率が一番高いです。
代々木上原の店舗に来るのは4回目ですが、その内3回はココです(笑)
ちなみに残りの1回は奥様と来た際のテーブル席でした。
メニュー。
代々木上原で開店した当初からドリンクメニューが有りましたが、今回も健在です。
本当は飲みたい所でしたがこの後車を運転する予定だったので泣く泣く断念しました…。
営業再開後初訪問なので、「特製醤油SOBA」¥3,000にしました。
ちなみに以前はカードやQRコードなども使えましたが、再開後は現金のみになった様です。
再開後は箸が「飯田商店」や「うずとかみなり」の様な箸になり、帯封に日の丸が描かれる様になりました。
元々紅白だったレンゲと合わせて、かなり映える感じになりました。
待つ事15分程で、「特製醤油SOBA」が到着。
特製トッピングが先に来て、その後「醤油SOBA」の順です。
ベーコンの上のバルサミコ酢を使ったペーストはJSN蔦のトレードマークです。
「醤油SOBA」。
麺相はまさしくJSN蔦です。
「特製トッピング」。
以前いただいた時からまたバージョンアップした様で、構成が若干変更されています。
「塩漬け胡椒」、「ツタスコチリペッパーソース」が添えられているのは変わりませんが、もう一つが「梅肉なんちゃんソース」になっています。
まずはスープから。
トリュフ香る醤油味スープはまさしくJSN蔦の味です。
しかし以前よりも味の輪郭がクッキリとした印象です。
自家製麺の麺。
やや平打ちで比較的柔目の茹で加減です。
その茹で加減がスープと良く合っています。
和牛のローストビーフでしょうか?
非常に柔らかくて、口の中で溶ける様な食感です。
バラチャーシュー。
トリュフとポルチーニ茸などの茸とバルサミコ酢のペーストが載っているのはJSN蔦のトレードマークです。
黒豚ロース肉のチャーシュー。
とても薄くスライスされていて、絶妙な火加減でしっとり感と肉感の有る、とても美味しいチャーシューです。
穂先メンマ。
とても大きな穂先メンマ。
柔らかな食感と芳醇な風味のメンマです。
重層的な旨さを持つスープにとても良く合っています。
九条葱。
柔らかく、絶妙な辛味と甘みを持つ九条葱。
見た所切り方は縦に刻まれている様です。
最近、「うずとかみなり」の大西芳実店主もインスタでネギの切り方を小口切りから縦切りに変えたと仰っていて、繊維方向に沿って切る事で、時間が経っても萎れてしまわない様になり、風味も良くなったとの事です。
特製トッピング。
ズッキーニとトマトのローストでしょうか?
トマトは焼く事によって旨味を増すそうで、生とはまた違った旨さが有ります。
こちらは黒豚ロースの生ハム風でしょうか?
とても薄くスライスされています。
ネギと麺をいただきます。
芳醇なトリュフの香りにポルチーニ茸の風味、香ばしい醤油とシャモロックの濃厚な旨味などが重なり合った重層的なスープに、九条ネギと自家製麺の麺がとても良く合います。
トリュフとポルチーニ茸などの茸とバルサミコ酢のペーストが載ったバラチャーシュー。
トリュフとポルチーニ茸の風味にバルサミコ酢の酸味がとても美味しいです。
ロースチャーシューと麺をいただきます。
チャーシューに載っているのは恐らく無花果の実を使ったペーストだと思われます。
仄かな酸味と甘みがチャーシューの旨さをより引き出してくれます。
大きな穂先メンマと麺をいただきます。
重層的なスープの味とメンマの味の違いが楽しめます。
シャモロック味玉ハーフ。
濃厚な黄身の旨味が感じられ、とても美味しいです。
和牛ローストビーフでしょうか?
とても柔らかく口の中で溶ける様な感じで、とても美味しいです。
九条ネギと麺をいただきます。
旨味の有る九条ネギと、トリュフ香る醤油味スープがとても良く合います。
「梅肉なんちゃんソース」を付けて黒豚ロースをいただきます。
南高梅の優しい酸味と旨味がとても良く合います。
「塩漬け胡椒」を付けて黒豚ロースをいただきます。
胡椒のスパイシーな風味がとても美味しいです。
塩漬けになっているからか、胡椒自体に旨味が感じられます。
トリュフとポルチーニ茸が香る醤油味スープとしなやかな食感の麺が良く合います。
バルサミコ酢の酸味や無花果の甘みなども合わさって、重層的な味の重なりで旨味を構成しているスープが感じられます。
麺と具を食べ終えて、スープを味わいます。
シャモロックや天草大王、鹿児島黒豚、浅利、乾物などのスープに4種の醤油を合わせ、トリュフやポルチーニ茸の風味やバルサミコ酢、無花果のペーストなどを合わせた重層的な旨味のスープ。
その源流は父である大西良明氏の伝説の名店「七重の味の店 めじろ」の「七重の味」のスープに有るのではないかと思います。
「七重の味の店 めじろ」で修行した後、一度はラーメンを離れてフレンチの世界に身を置き、その後JSN蔦を開いた祐貴さんならではの味の重ね方がミシュラン1つ星に繋がったのでしょう。
と言う訳で、完飲&完食です。
「Japanese Soba Noodles 蔦」の「特製醤油SOBA」でしたが、確かにJSN蔦そのものの味で有りながら、細部がブラッシュアップされた一杯でした。
トレードマークのトリュフやポルチーニ茸とバルサミコ酢のペーストの風味と味は健在ですが、以前に比べてクッキリとした味になっており、全体としての調和を意図的に崩したアグレッシブな進化を遂げています。
スープの重層的な旨味に良く合う、しなやかな食感の麺も素晴らしく、一杯の中にフルコースを詰め込んだ様な構成も見事です。
「特製トッピング」は以前食べた時も感じましたが、下手なビストロが裸足で逃げ出す位見事な出来栄えで、エスプーマなどの要素を取り込んで更なる進化を果たしています。
店主の大西祐貴さんは亡くなりましたが、その想いをしっかりと受け継いだスタッフが、コンセプトを守ってブラッシュアップしているので、全く心配有りません。
今後の「Japanese Soba Noodles 蔦」も、とても楽しみです。