どうも、Mormor（もるもる）です！
先日2022年2月13日を以って日本の店舗を休業する海老名の「中村屋」さんに行って来たのですが、2月5日に中村栄利店主が来日して13日の閉店まで厨房に立つと言う事で、行って来ました。
中村店主が厨房に立つと言う事で、平日にも関わらず開店時間の11:00でざっと50人は並んでいました。
40分程で、漸く入口の横まで来ました。
ここまで来ると、厨房の中村店主の「天空落とし」が見られます。
入口から入った通路に貼ってある中村店主のプロフィール。
ハワイに行った時も、ラーメン店が多い事に驚きましたが、中村店主を始め、ラーメンを広めてくれた先達のお陰なのでしょう。
今日は最初から「だしかけ」一本に決めていました。
前回が塩だったので、今回は「だしかけ醤油」にしました。
カウンター席に案内されてビックリ。
なんとお隣には「らぁ麺屋 飯田商店」店主の飯田将太さんが座っていました。
以前、新横浜ラーメン博物館の「來々軒」のプレオープンの試食会でお見掛けした事が有りますが、初めてお声掛けさせて頂き、小声で先日伺った際のお礼を述べました。
中村栄利店主の「天空落とし」。
（撮影許可を頂いております）
まだ高座渋谷に店舗が有った頃、毎回中村店主の湯切りを眺めたものでした。
20年以上経って、これが日本で最後になるかも知れないと思うと、万感の想いが有ります。
待つ事10分少々で、「だしかけ醤油」が着丼。
お隣の飯田将太さんも「だしかけ塩」でした。
ちなみに飯田将太さんは2杯目に「中村屋らーめん」（醤油）を真空平打ち麺で食べていらっしゃいました。
食べている途中で中村店主が飯田さんの所に来て、「大丈夫ですか？」と声を掛けていました。
飯田さんはかしこまりながら、「
まずはスープから。
多層的な旨味を持つ「中村屋」のスープ。
前回食べた「中村屋らーめん」（塩）と比較すると、醤油の芳醇な風味が有りますが、基本的に優しい味のスープです。
全体としての調和を大事にしたスープの作りは、塩でも醤油でも変わり有りませんが、醤油の旨味でよりコクの有るスープになっています。
麺は前回食べた「中村屋らーめん」（塩）と同じ三河屋製麺製の細麺。
しかし、一口食べてみて衝撃が走りました。
中村店主は心持ち硬めに茹で上げていて、それが全体の印象をガラッと変えています。
コシと歯応えが違うと言う事も有りますが、何よりも麺の風味が全然違います。
そのお陰で全体として「優しい味」と言う「中村屋」らしい味にピンとした締めが出来ていて、明らかに旨さが違います。
以前、「麺でる相模原」の上野店主から聞いた話ですが、「超純水採麺 天国屋」さんが金森の店舗を立ち退きで閉店する際に、佐々木店主から「自由にやって良いからラーメン作って良いよ」と言われて作ってみた所、麺もスープも具材も全て同じにも関わらず、全然違う味になったそうです。
麺の茹で方、湯切りのやり方、スープの掬い方、タレの加減…それらの違いが結果的に大きく味を変えてしまうのだそうです。
中村栄利店主の凄さが分かります。
中村店主自ら麺揚げを行った麺とスープの絶妙なハーモニーが見事です。
心の底から「今日は『だしかけ』にして正解」と思いました。
「だしかけ」だからこそ、麺の僅かな違いがハッキリと分かり、味の違いが分かったのだと思います。
非常に細かく刻んだネギが唯一の具材。
食感も有りますが、非常に細かいのでネギの辛味も仄かに感じる程度になっており、優しい味のスープに合わせて有る事が分かります。
麺を食べ終えて、スープを味わいます。
「中村屋」らしい、多層的な旨味の優しい味のスープ。
丸鶏などの鶏のスープをベースに節系や貝類、乾物、香味野菜などの旨味で構成されていて、優しい味で旨味の有る醤油ダレが合わせられています。
と言う訳で、完飲&完食です。
「中村屋」さんの「だしかけ醤油」でしたが、正に圧巻の一杯でした。
全く同じスープ、麺で有りながら、作り手の違いがここまで出るのは衝撃的でした。
無論、スタッフの方も並大抵のレベルでは無い(店長さんは厚木でお店を出して独立されるそうです)が、中村栄利店主はやはりある種の天才なのだと思います。
麺の揚げ方一つで、ラーメンの味がここまで違うとは、ラーメンの世界の奥深さを改めて知りました。
最後に中村栄利店主の「天空落とし」を見る事が出来て本当に良かったです。
