どうも、Mormorです!
少し前になりますが、未食の「つけSoba」を食べに、「Japanese Soba Noodles 蔦」に行って来ました。
Covid-19禍で暫く休業していましたが営業を再開し、しばらく厨房に立って居なかった大西祐貴シェフが自ら店頭に立つ様になったと言う事で、行って来ました。
この日は限定メニューは特に無し。
「醤油Soba」は巣鴨時代にも食べた事が有り、代々木上原に移転した後も食べた事が有るので、今回は「つけSoba」を狙っていました。
お店の階段の上に有る「Welcome to the Wonderful World」の文字。
これを見ても、大西祐貴シェフの想いが分かります。
ちなみにこの言葉はTHE YELLOW MONKEYの「DANDAN」という曲の歌詞に出て来る”Wonderful world”から来ているそうです。
壁に飾られた写真や絵画。
海外の古いレストランなどに有りそうな感じです。
これらも大西祐貴シェフの目指す所を現しているかの様です。
この日のメニュー。
限定メニューは無く、全てレギュラーメニューです。
元々レギュラーメニューを味わいに来ていたので、全く気になりませんでした。
未食だった「つけSoba」¥1,900、しかも蔦では食べた事が無い味噌味にしました。
ラーメンの説明。
麺・スープ・具材の説明と、各メニューの説明書きが有ります。
一々確認しなくても良い様に記載されているのは、ラーメンBloggerとしてはとても助かります。
「つけSoba」をオーダーすると、この様な説明が有ります。
まず麺のみで味わい、次いで醤油ベースのスープに浸して味わい、次に味噌味スープで味わい、味変して味わい、最後に麺にビネガーベースのソースを掛けて味わうと言う五段階もの味を楽しめる逸品です。
ラーメンをフレンチやイタリアンの領域に高めたいと言う大西祐貴シェフの気持ちが表れている様な構成になっています。
着席して待つ事10分程で、「つけSoba(味噌)」が到着。
2色の麺と7種の具材に3種の薬味と別皿でヴィネグレットソースが提供されます。
3種の薬味の小皿を降ろすと、醤油味のスープが現れます。
この辺りの演出は日本蕎麦的な感じです。
味噌味スープとヴィネグレットソースが来て、全て揃いました。
コース料理の様な感じです。
「Japanese Soba Noodles 蔦」で味噌味のスープを食べるのは初めてです。
ちょっと明るめの色味で、白味噌と赤味噌のブレンドなのでしょうか?
ヴィネグレットソース。
フレンチではサラダに良く使われるもので、「フレンチドレッシング」とも呼ばれます。
世間一般に良く有る「フレンチドレッシング」はアメリカで作られ、ヴィネグレットソースにケチャップや砂糖を混ぜたもので、フランスには無いそうです。
小麦の大吟醸の中心粉と中力粉を使った白い麺。
平打ちの中太ストレート麺で、ツルツル食感の麺です。
醤油味のスープに浸します。
このスープは濃いめの味なので、浸すのは下から1/3位にします。
酢橘を醤油味スープに少量加えます。
爽やかな酸味と風味が加わります。
麺の方に山葵を付けても美味しいです。
山葵の場合は「ざるうどん」のつゆに山葵を溶いた様な味わいになります。
小麦の全粒粉と強力粉で打った黒い麺。
こちらは中細ストレート麺です。
見た目も日本蕎麦的なので、山葵を塗っていただきます。
こうしてみると日本蕎麦の蕎麦殻を挽き込んだ「田舎蕎麦」的なビジュアルです。
醤油味スープに浸していただきます。
香ばしい小麦の風味とコシと歯応えの有る麺で、スープの味や山葵と相まって日本蕎麦的な味わいです。
繊細な大吟醸の中心粉を使った白い麺と比較して、豪快に小麦を丸ごと粉にした全粒粉と強力粉で力強い感じです。
白い麺を味噌味スープに浸してみます。
「味噌味」とは言っても味噌汁の様な感じは全く無く、甘みの有る白味噌とコクの有る赤味噌をブレンドしてあるのか、仄かな甘みとコクの有る味わいのスープです。
黒い麺の方も浸してみます。
醤油味スープだと日本蕎麦的な感じが強調されますが、味噌味スープの場合は香ばしさもさる事ながら、そのコシの有る食感がより際立ちます。
薬味のピノ・ノワールマスタードを麺に塗ってみます。
小麦の麺に小粒のマスタードと言う組み合わせが面白いです。
ピノ・ノワールマスタードを塗った麺を、味噌味スープに浸します。
マスタードの風味が味噌味スープに深みを与え、また違った味わいになります。
スープに少量の一味を加えると、後味が引き締まります。
黒い麺にもピノ・ノワールマスタードを塗っていただきます。
味噌味スープにマスタードがこんなにも合うとはビックリです。
鴨ローストでしょうか、香ばしく焼き目が付いています。
このまま食べても美味しそうでしたが、やはりスープに浸してみる事に。
スープに浸していただきます。
味噌味スープの風味に香ばしく焼き上げた鴨ローストが良く合います。
鶏肉の幽庵焼きでしょうか?
香ばしく焼き上げられた皮が美味しそうです。
味噌味スープに浸していただきます。
香ばしい皮の風味と醤油と味醂の味付けがとても美味しいです。
極太のメンマ。
ラーメンが旨い店のメンマはほぼ間違い無く美味しいですが、やはりこちらのメンマも美味しいです。
黒舞茸。
一見するとキクラゲの様ですが、舞茸です。
独特の風味が美味しいです。
黒豚ロースチャーシュー。
ロースとバラで調理法を変えていると言う事ですが、ロースはローストポーク的な手法で作られているのでは?と推測しています。
脂身の少ないロース肉がパサつかない様に丁寧に仕上げられています。
黒豚バラチャーシュー。
こちらはバラ肉を巻いて煮豚的に仕上げたものでしょうか?
柔らか過ぎて持ち上げられない位です。
ここでヴィネグレットソースを麺に掛けます。
ヴィネグレットソースを掛ける事で、ちょっとサラダっぽい感じになるのでしょうか?
ヴィネグレットソースを掛けて、良く混ぜます。
白と黒の麺に依る違いにも注目です。
味噌味スープに浸してみます。
味噌自体が持っている仄かな酸味とスープの甘みがヴィネグレットソースの酸味が見事に調和して、とてもサッパリといただけます。
続いて白髪ネギを絡めた黒い麺をスープに浸します。
ヴィネグレットソースの爽やかな酸味と白髪ネギの辛味が味噌味スープをより爽やかにしてくれて、香ばしくてコシの有る麺がとても美味しいです。
品川江戸前海苔。
厚手の黒光りする海苔です。
スープに浸して麺を包んで海苔巻き麺にしていただきます。
海苔の磯の香りが濃厚で、味噌味スープにとても良く合います。
麺と具を食べ終えました。
この至高の味噌味スープには「スープ割り」が有りません。
味のバランス的事を考えた結果でしょうか。
折角なので出来るだけスープを味わってみます。
つけ麺用のスープとは言え、塩味が強い訳では無く甘味や酸味も有るスープなので、そのままでもかなり飲めます。
それにしても、「Japanese Soba Noodles 蔦」ならではの見事な味の重ね方で、その完成度は流石はミシュラン1つ星と思わせてくれます。
これを食べに行った時は、当然店主の大西祐貴さんはお元気で厨房に立たれており、味噌味スープは祐貴さんから受け取った事も覚えています。
次回は改良された「醤油Soba」を味わおうと思っていましたが…
9月23日に信じられない一報を目にしました。
最初は何かの間違いでは無いかと思いましたが、残念ながら事実でした。
もう大西祐貴さんの作り出す独創的な一杯を味わう事は永久に不可能になってしまいました。
しかしながら祐貴さんの意志を引き継ぐ方々や、その想いを受け継ぐ方々によって、形を変えてこれからも続いて行くのだと思います。
一時的に休業していますが、何らかの形で営業は継続されていくものと思われます。
“ラーメン店で世界で初めてミシュランガイド1つ星を獲得した店”と言う称号は永久に消える事は有りません。
”RAMEN STAR FOREVER”.
大西祐貴シェフのご冥福を心よりお祈り申し上げます。
今まで本当にありがとうございました。