「メンタルの話②キッカケさえ有ればココロは折れる」の続きです。
●前回までのあらすじ
・外資系ITコンサルタントで退職勧奨を受け、転職
・転職先の上司はパワハラ常習犯だった
・パワハラが原因で鬱病を発症
・休職期間満了後、会社側から退職金を上積みされて退職
・会社側が用意した転職エージェントを使って就職活動
会社側が用意した転職エージェントを使って就職活動を行いましたが、そもそも大手のエージェントでは無いので、持って来る案件はどれも零細企業の案件ばかりでした。
しかも、敢えて保持しているIT系の特殊資格を使わずに就職活動をしていたので、給与は前職の1/3〜1/2という状況でした。
流石に前職の1/3〜1/2だとちょっと辛いので、止むを得ず保持しているIT系の特殊資格を出して、大手転職エージェントに依頼してみました。
すると今度は案件がバンバン来るのですが、どれも外資系ITコンサルタント企業の案件ばかり。
流石に「外資系」には懲り懲りだったので、そこだけは譲らずに日系のITコンサルタント企業に絞って活動しました。
結果、大手IT企業の子会社の日系ITコンサルタント企業に就職する事が出来ました。
しかし、上手く転職出来たとは言え、「ITコンサルタント企業」と言うのはストレスの溜まる職種なので、一抹の不安が有ったのは事実です。
案の定、入社直後にいきなりブラック案件に当たってデスマーチに突入しました。
絵に描いたような失敗プロジェクトで、ロクに仕様が固まらない内に中国に外注してしまった為、意思疎通が出来ていない状態でプログラムが納品されると言う信じられない様な状況でした。
更に顧客のIT担当者がまた絵に描いたようなクレーマー&粘着気質の方で、こちら側のリーダーが10kg以上痩せて鬱病寸前という状況でした。
後に顧客のIT担当者は更迭され、別の方に変わりました。
私が入った時は、外注したプログラムの検収からでしたが、一体どう言う仕様だったらこうなるのかと言う位酷いものでした。
仕様書を見たら絶句モノ。只のホワイトボード丸写しのメモ書きで、全く意味を成していません。逆に良くこれでプログラムが出来て来たな、とヘンに感心してしまいました。
もう一度中国に発注する時間は無く、毎日徹夜作業で日本でプログラムを作り直し、仕様書は同時並行で起こして行くと言う、これも一番やっちゃいけないやり方でした。
当然、納期に間に合う筈も無く、延期の上に更に延期で、もうこれ以上は絶対譲れないと言う状況になりました。
出来上がったプログラムを客先で最終仕上げする為に、泊まり込みで現地に向かいました。
典型的な体力勝負のIT土方と言う感じ。
データ移行の為に現地でプログラム作成の必要が有りましたが、現地に来ているのは全員ERPしか知らない人で、誰も作れないので止むを得ず私が作る事に・・・
客先の課長さんと一緒にプログラムを作り、ブッツケ本番でデータを加工すると言う荒技で、何とか稼働させる事に成功しました。
幸い、これだけ厳しい労働環境だったにも関わらず、メンタル的には無事でした。ただ体調は崩しました・・・
これだけ苦労し、多大に貢献したにもかかわらず、現場を知らない上長の評価は低く、何の為に苦労したか分かりませんでした。
これでは体が持たないと思ったので、ERPの事業部からモバイルの事業部に異動させてもらいました。
モバイル事業部はまだ出来たばかりで、最先端の開発に携わる事が出来、まだハシリだったクラウドシステムをいち早く開発して、新聞に載った位でした。
某大手生活用品メーカーのモバイル開発プロジェクトではプロジェクトリーダーを務め、客先のみならず一次受けの会社の課長さんからも絶大な信頼を得ました。
実際、このプロジェクトは社長賞を受賞しました。
尤も、獲ったのは上司ですが・・・
現場は大した評価はされませんでした。
このプロジェクトで大活躍してくれた、中国からの研修生の人が居ました。
彼は非常に優秀な人で、ちょっと頑固な所が有るものの、皆から全幅の信頼を置かれていました。
ところが、例によって例の如く、彼も上長からは評価されず、手柄だけ持って行かれると言う典型的なダメ上司に愛想を尽かした彼は、中国で起業した友人の会社が子会社を作ると言う事で、その責任者に抜擢されて会社を去りました。
テクニカル面では右に出るものが居ないくらい優秀な彼が退職してしまった事で、私の負担は一気に増えました。
プロジェクトマネジメントから仕様設計、プログラム開発まで全てが私になってしまい、限界ギリギリでした。
ある日、某大手自動車メーカーからビッグデータを利用したデータ解析の依頼が有りました。
ビッグデータの分析に使用される言語は未経験のもので、しかも統計分析の経験が無い私が、今のプロジェクトが終わったら担当する様に言われました。
今のプロジェクトのエンドは、ビッグデータ解析プロジェクトと期間が重複しており、技術習得をする時間が有りません。
私は正直に無理だと上司に伝えましたが、上司は勝手に話を進めてしまいました。
只でさえ今のプロジェクトに追われている状態だったので、無茶振りされた事で限度を超えてしまい、会社に行く事が出来なくなりました。
恐れていた鬱病の再発です。
しかしこの時は後輩にプロジェクトをお願いし、体調不良という事で1ヶ月の休暇を取得して凌ぎました。
ただ、前回行った病院では無い別の病院に行って診察してもらいました。
その病院ではいきなり投薬はせず、まずはカウンセリングと在宅療養で治療する事になりました。
約1ヶ月ほど休み、何とか会社には行かれる様になったのですが・・・