どうも、Mormor(もるもる)です!
今日は湯河原の「らぁ麺屋 飯田商店」に行って来ました。
2019年5月26日に以前のラーメンを終了し、新しい味になったのですが、行こうと思った時にCovid-19禍が起きて2年も経ってしまいました。
その間に予約方法がOMAKASEに切り替わったのですが、店舗に行って予約出来た以前と違って、完全に門前払いされてしまう(”混雑しています。再度実行して下さい”のオンパレード)ので、毎週火曜日に何十回も予約を試みましたが全敗…(涙)
“スマホでは無理”と言う情報が有ったのでPCでチャレンジしたり、奥様と二人で予約したり色々試しましたがやはり全敗…
ダメ元で年末ギリギリの枠の、しかも仮予約が外れた瞬間に一人分だけ予約出来ました。
行きたがっていた奥様には申し訳有りませんが、曜日も選んでいられなかったので、スケジュール的に割と融通が効く自分が行く事になりました。
「中華蕎麦とみ田」や「Japanese Soba Noodles 蔦」の様にOMAKASEと店頭予約の両方が可能なら良いのですが…
入口横には食券の購入時の注意事項とメニューが有ります。
店員さんから声が掛かり、名前を告げると基本的に予約順で食券を購入する様に促されます。
2021年12月現在の「お品書き」。
基本「しょうゆらぁ麺」と「しおらぁ麺」そして「つけ麺」(塩/醤油)で、サイドメニューはご飯ものです。
ラーメンの構成自体は先日行った「Ramen FeeL」に近いです。
「Ramen FeeL」渡辺店主の修行先なので、当たり前ですね。
順番に券売機で食券を購入します。
店員さんに確認し、連食可能との事だったので「わんたん入りしょうゆらぁ麺」¥1,580と「つけ麺」(塩)¥1,800、「出汁割」¥200にしました。
食券を店員さんに渡し、一旦外で待ちます。
待つ事10分少々で、案内開始です。
券売機の上にはTRY(Tokyo Ramen of the Year)のカップが飾られています。
既に殿堂入りしてしまったので、2019年までのものが飾ってあります。
まずは「わんたん入りしょうゆらぁ麺」が着丼。
以前の「わんたん入り醤油チャーシュー麺」と比較して少し色が薄くなった様です。
綺麗に刻まれた九条ネギが美しいです。
2個のワンタンは、左が比内地鶏、右が金華豚のワンタンとの事。
まずはスープから。
一新したと言う「しょうゆらぁ麺」は、以前の「鶏と水」系に対して鶏と豚を使用したスープと数種類の醤油を使ったタレを丼で合わせたスープです。
雑味の無い非常にクリアなスープになり、とてもまろやかでバランスされた旨味が印象的なスープです。
自家製麺の細麺。
以前の「わんたん入り醤油チャーシュー麺」と比較して丸断面になっており、比較的柔らかめの茹で加減です。
この麺の柔らかさがスープのまろやかさとピタリと合っていて、全体が調和した一杯になっています。
霧島高原純粋黒豚のチャーシュー。
店員さんが”霧島高原純粋ポーク”と言っていたので、恐らく霧島高原純粋黒豚の事だと思われます。
脂身がサッパリとしていて、薄手ながら肉感が有り、ジューシーな美味しいチャーシューです。
こちらは霧島高原純粋黒豚のバラチャーシュー。
バラ肉らしい脂の甘味を感じられるチャーシューです。
比内地鶏のワンタン。
鶏肉らしいサッパリとした味のワンタンです。
金華豚のワンタン。
こちらは豚肉らしい肉感の有るワンタン。
肉の旨味を味わえるワンタンです。
メンマ。
細くて長いメンマです。
スープに合わせたまろやかな味付けになっています。
海苔。
とてもツヤツヤしていて厚手の海苔。
お寿司屋さんの軍艦を巻いている海苔の様な感じの海苔です。
スープに浸して麺を包んで頂きます。
磯の風味の濃い海苔で、まろやかな味のスープに柔らかめの麺とのコントラストが印象的です。
柔らかめの麺。
これがスープのまろやかさととても良く合っています。
小麦の風味も含めて突出した所が無く、スープや具材と合わせた全体の調和感が見事です。
メンマと麺を絡めて頂きます。
メンマと麺の食感の違いが楽しめます。
九条ネギを絡めて麺を頂きます。
辛味が少なく、旨味の有る九条ネギがまろやかな味のスープと良く合います。
角断面から丸断面になった事も、舌触りを滑らかにして麺が柔らかくなったと感じる要因の一つだと思います。
スープもあらゆるカドを排したまろやかさなので、麺もそれに合わせた味と食感になっています。
このラーメンの凄さは、そのトータルの味と食感の方向性がピタリと揃っている事だと思います。
味の統一を図るだけでなく、食感まで含めた方向性を合わせると言うのは非常に高度な技術だと思います。
麺と具を食べ終えて、スープを味わいます。
「淡麗しょうゆ」系のスープの一つの究極とも言えるスープは、何処にも突出した所が無く、全てがバランスされていて、2つの素材を極めたスープに味の重なりが見事なタレが綺麗にバランスしています。
そう言えば、器も新調されていました。
家紋が彫られている丼です。
と言う訳で、完飲&完食です。
リニューアルした「わんたん入りしょうゆらぁ麺」でしたが、「鶏と水」を極めたスープに、それに合わせた自家製麺と厳選素材の具材が見事に調和した素晴らしい一杯でした。
続いて「しおつけ麺」。
「Ramen FeeL」の「塩つけ麺」同様、麺が2種類載っています。
まずは麺だけを山葵を付けて頂きます。
山葵の風味と麺の小麦の風味が美味しいです。
続いてもう一つの麺に梅鰹を付けて食べてみます。
こちらはフスマ入りなのか、香ばしい風味の麺です。
梅鰹の旨味で、幾らでも食べられそうです。
綺麗に澄んだスープ。
以前の「しおつけ麺」はスープに具材が入っていましたが、リニューアル後はスープには一切具材が入っていません。
この「つけ麺」には「醤油味のスープ(つゆ?)」も付いて来ます。
山葵と梅鰹は麺をそのまま頂く際に、すだちは味変で、白髪ネギはお好みで、との事。
2種類の麺の内の、平打ちの中細麺。
加水率高めのツルツル食感の麺です。
まずは何も加えない状態のスープに浸します。
「Ramen FeeL」の「塩つけ麺」は塩が効いていて”潮のイメージ”と言う事でしたが、こちらは「しょうゆらぁ麺」と同様にまろやかな味で、バランス感が際立つスープです。
一見すると日本蕎麦の様な麺。
石臼引きの様な粒感を残した粉で打った麺の様です。
フスマが練り込まれているのか、色が黒くて日本蕎麦の様に見えます。
スープに浸します。
香ばしい風味のする麺は、しかし蕎麦ほど香ばしさが前面に出ている訳では無く、むしろ食感に特徴の有る麺です。
2つ載っていて、片方には「ぶどう山椒」が掛かっています。
こちらは掛かっていない方です。
香ばしく焼き上げられた「黒さつま鶏黒王の幽庵焼き」は、皮はパリッとしていて肉はジューシーです。
地鶏らしい濃厚な味がします。
こちらは「ぶどう山椒」が掛かっている方。
「ぶどう山椒」はとても鮮烈な風味が特徴で、先日行った八王子の「麺笑 巧真」さんの「塩らーめん」にも使われていました。
海苔。
「わんたん入りしょうゆらぁ麺」同様、しっかりとした海苔です。
スープに浸して、麺を包んで頂きます。
海苔の香ばしさと麺の小麦の風味、そしてスープの奥深い味が合わさって、とても美味しいです。
3枚有るので、次は黒い麺を包んで頂きます。
香ばしい海苔に香ばしい麺も美味しいです。
薬味の白髪ネギを入れてみます。
塩味のスープと白髪ネギはとても良く合います。
黒い麺も白髪ネギが良く合います。
ちょっと日本蕎麦っぽい麺なので、蕎麦つゆにネギが合う様に、この麺にも良く合います。
霧島高原純粋黒豚の炭火焼きチャーシュー。
仄かに香ばしい炭火焼きの風味がするチャーシュー。
柔らかくてしっとりとした食感で、塩味スープに良く合うチャーシューです。
醤油味のスープ(つゆ?)で食べてみます。
同じ麺でも塩味スープと全然違っていて、めんつゆで食べているかの様な出汁感が有ります。
黒い麺も醤油味のスープ(つゆ?)で食べてみます。
この麺に醤油味のスープ(つゆ?)は、正に日本蕎麦そのものです。
香ばしいこの麺には醤油の方が合っているのかも知れません。
ここで鰹出汁の餡と極薄にスライスされたチャーシューが出て来ます。
この餡を麺に絡め、チャーシューはしゃぶしゃぶの様にスープを泳がせて食べるとの事。
鰹出汁の餡。
これを麺に絡めると言う事は、例えるなら非常に濃い昆布水に浸かった麺の様になるのでしょうか?
極薄のチャーシュー。
しゃぶしゃぶ肉よりも更に薄く削られたチャーシュー。
これをスープに泳がせたらどうなるのか、とても楽しみです。
鰹出汁の餡を絡めた麺を頂きます。
昆布水の様に、糸を引いています。
昆布も入っていると思いますが、かなりの粘度なので、恐らく片栗粉でトロみを付けて有るのでは無いかと思います。
麺と極薄チャーシューを絡めて頂きます。
香り高い鰹出汁と昆布出汁が効いた餡が麺に絡み、塩味スープと合わさる事によって、今までに無い味になっています。
この味変は新鮮且つ予想を上回るもので、流石は「らぁ麺屋 飯田商店」と思わせてくれる味です。
極薄のチャーシューをスープに泳がせて頂きます。
先程、鰹出汁と昆布出汁の効いた餡が絡んだ麺を食べたので、スープに鰹出汁の餡が加わり、極薄チャーシューに動物系と魚介系の旨味が合わさり、未体験の味です。
極薄チャーシューを麺と絡めて頂きます。
麺を食べる度にスープの鰹出汁&昆布出汁濃度が高まり、変化していく味の演出に驚かされます。
以前の「しおつけ麺」が昆布水のつけ麺だった頃も、同様に味の変化は有りましたが、昆布水よりも粘度も風味も濃い餡を麺に絡めると言う食べ方はとても斬新です。
鰹出汁+昆布出汁の餡を絡めた麺を海苔で包んで頂きます。
香ばしい海苔の風味にスープの旨味と鰹出汁&昆布出汁の旨味が合わさり、とても美味しいです。
と言う訳で完食。
続いて「出汁割り」を楽しみます。
「Ramen FeeL」でも「出汁割り」が有りました。
「出汁割り」で割ったスープ。
三つ葉や柚子、小さな海苔も入っています。
スープのアップ。
小さな海苔に柚子皮が載っています。
滋味深い鰹出汁と昆布出汁の旨味が加わったスープは、柚子の風味も加わり、とても美味しいです。
削ぎ落とした味のスープが、鰹出汁と昆布出汁の餡を絡めた麺で出汁感をプラスし、味の重ね合わせの課程を楽しむ事が出来ます。
小さな海苔。
麺が無いのでそのまま食べました。
鰹出汁と昆布出汁が加わったスープは、香ばしい風味の海苔が良く合います。
何か白いモラモラが浮いています。
食後に店員さんにこれは何か尋ねてみましたが、特にそう言ったものは入っていないとの事。
店員さんによれば、恐らく鰹出汁&昆布出汁の餡が、熱いお出汁で固まったものでは無いか?との事。
言われてみれば、確かに湯葉の様な食感だったので、片栗粉が固まったもので有る可能性が高いと思います。
と言う訳で、完飲&完食です。
「らぁ麺屋 飯田商店」の「わんたん入りしょうゆらぁ麺」と「しおつけ麺」でしたが、「わんたん入りしょうゆらぁ麺」は「鶏と水」から「鶏と豚」になったにも関わらず、味の方向性は変わっておらず、全体の味の統一感を更に進めた一杯になっていました。
磨き上げた感じの「しょうゆらぁ麺」に対して、「しおつけ麺」は今までに無い斬新なアプローチが随所に盛り込まれており、エンターテイメント的な要素も盛り込んだ意欲的なものになっています。
出汁の効いた餡を麺に絡めて味の変化を楽しんだり、2種類のスープ、2種類の麺のバリエーションを楽しめたりと、値段相応のカスタマーエクスペリエンスを提供した一品になっています。
正統派の味と言う面でも、斬新なアイディアによるエンターテイメント的な要素と言う面でも、日本を代表するお店で有る事は疑い様が無いです。