どうも、Mormor(もるもる)です!
少し前になりますが、近々家元が引退されるとの話を聞いて、急遽「一条流がんこ総本家」(現:一条流がんこ総本家分家四谷荒木町)に行って来ました。
大きな牛の骨がぶら下がっているのは「がんこ」のトレードマークです。
開店時間の少し後に着きましたが、ざっと10人程並んでいました。
こちらの並び方は独特で、入口の向かい側の辺りが先頭で、そこから奥に向かって並び、折り返して入口側に伸びて行きます。
ちなみに廊下部分で収まらなくなったら外の階段の方に列が伸びて行きます。
入口の扉には「本当にラーメンが大好きな方 どーぞお入り下さい」と書いて有ります。
家元が書かれた字なのでしょうか?
30分程で、漸く折り返して4番目位まで来ました。
入口横には煮干しや鰹節、スルメ、調味料などの箱が積んで有ります。
1時間弱で漸く次に入店出来る所まで来ました。
思いの外回転は良く無い様です。
着席すると注文を聞かれるので、「雪」の並盛りにしました。
「雪」は「がんこ総本家」の「100」と呼ばれている、カエシを使わない100%スープのラーメンで、酒粕を使っていて少し白く濁っているのが特徴の、”家元最後のスープ”と言われているものです。
まずはスープから。
これがカエシを使っていないとは俄には信じ難い、「がんこ」らしい塩っぱめのスープ。
スルメや煮干し、鰹節、酒粕…と、これでもかと味を重ねた様な味で、一つ間違えたら破綻しそうな危うさをギリギリの所でまとめ上げている様な、今まで味わった事の無いスープです。
ちなみにカエシを使っていないスープと言うと「銀座 八五」のスープを思い出しますが、フレンチの手法を使ったアチラのスープとは全く異なるタイプです。
ちなみに箸はカウンター下の引き出しに入っています。
事前に調べてから行ったので迷いませんでしたが、初めて行ったら戸惑いそうです。
麺は黄色い中細ストレート麺。
恐らくサッポロ麺フーズ製と思われます。
ツルシコ食感で、コシと歯応えの良い麺です。
この麺は「一条流がんこ総本家相模原分店」や長津田の「十人十色」でも使われています。
ロースチャーシュー。
「雪」はトッピング全部載せ的なラーメンなので、色々載っていますが、このロースチャーシューはオーソドックスな煮豚系ですが、肉感が有って味付けも適度な美味しいチャーシューです。
「がんこ」と言えばの「悪魔肉」。
長津田の「十人十色」さんの「悪魔肉」と比べてワイルドな味です。
甘塩っぱい味自体は同じなのですが、より甘さも辛さも強めになっています。
メンマ。
サクサク食感のメンマ。
満漢全席的な「雪」の中でも箸休め的なポジションです。
大きな海苔。
魚介の素材が沢山入っているスープなので、海苔が合わない訳が無いです。
スープに浸して海苔で包んで海苔巻き麺にしていただきます。
多数の魚介を使ったスープなので、海苔ととても良く合います。
麺も海苔との相性が良いです。
少し硬めに感じる麺。
しかしこの歯応えがこのスープにとても良く合っています。
チャーシューと麺を一緒にいただきます。
このスープは味噌味では無いのですが、甘辛い味でコクの有るスープだからか、ちょっと札幌ラーメンの麺に近い麺の味にとても良く合っています。
メンマと麺をいただきます。
メンマのサクサク食感と麺のツルシコ食感の違いが楽しめます。
悪魔肉で麺を包んでいただきます。
悪魔肉のパンチの有る味と麺の味がとても良く合います。
牛丼の米を麺に変えた様な感じです。
多分同じ様なバラ肉で、同じ様に味を付けていると思うのですが、長津田の「十人十色」さんの「悪魔肉」とは明らかに異なります。
繊細な「十人十色」さんに対して「一条流がんこ総本家」の悪魔肉は味も食感もよりパンチが有ります。
肉が物凄い量です。
チャーシューも入っているし、悪魔肉も沢山載っているし、トータル何g載っているのでしょう?
お陰でボリューム感もかなりのモノです。
味玉。
しっかり味の染みた半熟の味玉。
黄身のまろやかさが濃いめの味をマイルドにしてくれます。
麺と具を食べ終えて、スープを味わいます。
重層的なスープのある種の最高峰とも言える複雑怪奇な味のスープ。
一つ間違えれば破綻してしまう所を見事にまとめ上げて有る、有る意味究極のスープです。
と言う訳で、完飲&完食です。
本当は塩分制限上とてもマズイのですが、飲み干さずにはいられないスープです。
「一条流がんこ総本家」(現:一条流がんこ総本家分家四谷荒木町)の「雪」でしたが、今までのラーメンの常識を覆す驚きの一杯でした。
重層的なスープは数あれど、ここまでそれぞれの味が主張しているスープは珍しいのでは無いかと思います。
酒粕を使っているスープも、先日閉店してしまった「銀座 風見」などいくつか有りますが、ここまで個性的なスープは初めてです。
正直、有る意味の究極で有る事は間違い無いと思います。
この日は残念ながら家元はいらっしゃらなかったのですが、後藤店長がしっかりとその味を受け継いでいます。